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2015年10月25日

10月24日、「千歳のカワシンジュガイ乱獲の謎」

千歳アイヌ協会主催の講演「カワシンジュガイ乱獲の謎」を聴講してきました。
カワシンジュガイについては昨春、大量捕獲されているのが目撃され、俄かに保護対策に取り組む動きが出てきています。
捕獲されたカワシンジュガイは、本州に送られタナゴの産卵床として取引されています。

初めに千歳アイヌ協会の中村会長が挨拶されました。
10月24日、「千歳のカワシンジュガイ乱獲の謎」
カワシンジュガイはアイヌ語で“ピパ”と言い、昔からアイヌの人々の生活とは密接な関係にあり、料理は勿論のこと貝殻は道具としても用いられたそうです。
10月24日、「千歳のカワシンジュガイ乱獲の謎」
次に、あるカワシンジュガイ研究の第一人者である元道立水産孵化場長・カワシンジュガイ類熱中人の粟倉輝彦先生の講演がありました。
道内には、カワシンジュガイ(絶滅危惧種Ⅱ類)とコガタカワシンジュガイ(絶滅危惧種Ⅰ類)の2種が生息しているそうです。
千歳川に生息しているのはカワシンジュガイです。
カワシンジュガイの稚貝(グロキジウム)はサクラマスに寄生(鰓部分)、成長してある程度の大きさ(0.6~0.7mm)になると脱落し繁殖し
ます。
因みにコガタシンジュガイの宿主はイワナ(アメマス)だそうです。

カワシンジュガイはサクラマスがいなくては世代交代が出来ず絶滅してしまうため、その分布とサクラマスの遡上状況に密接な関係があります。
サクラマスが遡上するがダムがあるような河川ではダムから上流には生息していないそうです。
近年、千歳川のサクラマスの遡上が減少の傾向にありますので、このまま遡上が途絶えたとすると必然的にカワシンジュガイは世代交代が出来ず、いずれいなくなるのだろうと思われます。

自然環境にも大きく影響されやすく、河川改修工事等によって生息場所が消失した場合、復元されるのは難しいとの事です。
カワシンジュガイは1個で1日50Lの水をろ過し浄化する機能を持っているそうで、河川の水質浄化に一役も二役も貢献しているのだそうです。
10月24日、「千歳のカワシンジュガイ乱獲の謎」

結びに中村会長から、カワシンジュガイ保護に向けて各団体と協力しながら千歳市の保護条例や道条例の制定を目指していく、との方針が示されました。
10月24日、「千歳のカワシンジュガイ乱獲の謎」






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Posted by ふるさとの自然を考える会・web担当 at 17:55 │活動報告

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