千歳川上流域に関する「これまで」

ふるさとの自然を考える会・web担当

2010年05月28日 22:00

既に報道でご存じの方も多いかと思いますが,去る5月25日に開催された北海道内水面漁場管理委員会(漁場管)にて,千歳川王子製紙第4ダム~第1烏柵舞橋間における魚類の採捕禁止措置が今年度から解除されることが決定されました.
昭和56年に水産庁北海道さけ・ますふ化場千歳中央孵化場(現・(独)水産総合研究センターさけますセンター千歳事業所)の要請で,調査研究目的に禁漁となっていた区間は,平成19年に解除された第1烏柵舞橋~烏柵舞橋間とともに,この6月1日からは,法的に解禁となります.

当該区間に関するさけますセンター千歳事業所の提言はこちら
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当該区間の魚類採捕禁止措置解除に対する当会の考え,活動についてはこちら
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当該水域には,(独)水産総合研究センターさけますセンター千歳事業所(さけますセンター)の調査によって70カ所のサクラマス天然産卵床が確認されています.孵化放流事業によるサクラマスの数からすれば,確かに微々たるもので,漁場管においては漁業資源としての重要性は低いと判断されたものと推測します.
漁場管は元来,河川の自然環境や天然魚保護といったことを主目的にしておらず,あくまで漁業を中心に議論を行う場である,とさけますセンター・千歳市から伺ったことがあります.
すなわち,サクラマスの天然産卵床が密集しているという現在では道内でもまれに見る水域であること,人が立ち入らないことによって周辺の山林を含めた自然環境が保全されてきたという特殊な環境,そしてこのエリアが札幌圏に存在するという重要性.このような面からの議論を行う場ではないと言うことです.
漁場管では,さけますセンターがデータを基にして措置継続を主張し,千歳市も当会などの意見を代弁しつつ,環境保全の立場から措置継続を要請したとのことですが,当該水域については上記の決定がなされました.

しかし,これで全てをあきらめるわけにはいきません.
これまで協力して同水域の保全を目指してきたさけますセンター・千歳市とともに,新たな方策をもって同水域の保護を目指して参ります.




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